[活動報告] #2 ゆきじ KPC

発表者:ゆきじ

出雲北山を単独で走るママさんトレイルランナーのゆきじさんは、小さな子どもを持つママさんたちを集めたKPCというランニンググループを主宰しています。当初はマラソンに打ち込んでいたゆきじさんは、結婚を機に出雲へ移り住みトレイルランニングを始めます。出産を経て育児をしながら北山トレイルランを再開した様子とKPCの活動について、instagramの素敵な画像(#kameiwancof_mt)と合わせてお話いただきました。


ゆきじ?

先ほどから名前の出ているぺぺろんちーのの奥さんのゆきじです。母親業のかたわら、週に1回の北山トレイルランをやっています。(会場でちょろちょろしている1歳7ヶ月の長男くんの紹介がある。)

出産後、長男が3ヶ月でロードランニングを再開し、5ヶ月で北山にて単独のトレイルランニングを始めました。また、ランニングの再開に合わせてママさんランニンググループKPCを立ち上げました。

KAMIARI PARKRUN CREW(KPC)

小さな子供がいるお母さんを集めて、週に1回浜山公園の中を走るKPCを結成しました。KPCは、KTCのトレイルランをパークランにひねって名前をつけました。現在のメンバーは3人です。子育て、家族、お山の話をしながら走っています。

私は、北山を走ってヘロヘロになってから、筋肉をほぐす感じでKPCに参加しています。走ることよりも、お喋りが中心でみんなで楽しく続けています。

2015年1月(産後5ヶ月)からKPCを始め、目標としていた同10月の一畑薬師マラソンに参加しました。また、先日は公園を飛び出してみんなで初めての弥山さんへ登りました。


トレイルランを始めたきっかけは、トレイルランナーの旦那さんに誘われて

わたしは、結婚を機に大阪から出雲へ移り住みました。大阪時代は、ロードを走っていました。当時はマラソンに打ち込んでいたため、怪我を心配して山を走ることを避けていました。そんな時に、ぺぺろんちーのくん(現旦那さん)と出会い、トレイルランに誘われました。彼氏に言われたら、やってみてもいいかな?と思って始めました。

当時は大阪に住んでいましたが、出雲に住む旦那さんのところに遊び行って北山を走りました。はじめてのトレイルランは出雲北山です。コースは、鈴谷峠-弥山-猪目峠-稲佐の浜でした。出雲北山はトレイルランを始めた場所なのでご縁を感じるし、思い入れのあるお山です。

トレイルランのウエアや装備はロードランのもとは違います。当時はまったくトレイルの装備を持っていませんでした。幸いなことに旦那さんと服と足のサイズが同じだったので、当日はウエアやシューズギアなど、下着以外はすべて貸してもらいました。ウエアや装備をそろえなくてもよかったので、気軽にトレイルランを始めることができました。

今日は、同日開催のアウトドアマーケットにトレイルランウエアやギアがそろっているのでぜひご覧ください。トレイルランを始めるきっかけに格安で道具をそろえるチャンスです。


トレイルの世界へ

トレイルの魅了は下りの面白さです。旦那さんは鹿みたいに斜面をおりていきます。信じられないような速さです。私もどんくさいなりに重力と一緒になって、うまく地面にのっていく感じがすごく楽しいと感じました。また、はじめてのトレイルランで目にした弥山からの景色は忘れられません。きれいな景色に感動しました。

旦那さんとの出会いをきっかけに、マラソンからは離れて本格的にトレイルランを始めいくつかのレースへ参戦しました。2013/10旦那さんのサポートを受け、 OSJ氷ノ山山系トレイルレース78.0 kmを完走しました。


出産を経てKPC結成

ロングレースを終えてしばらくして息子を授かります。ここで一端ランニングはお休みしました。休んでいる間は、北山に登りたいという気持ちが積もる一方でした。大きなお腹をかかえながら、湖北線を通るたびに「縦走したい!」と言っていました笑。登れない、走れないからこそ、どんそんその思いを強くする妊婦生活でした。

息子の出産も無事に終わり、新しい家族との生活の中で3ヶ月がたった頃にロードランニングを再開しました。出産後の身体は、以前とは比べ物にならない状態でした。腹筋は崩壊し脚の筋肉はすべて落ちてしまっていました。もちろん走る体力もありませんでした。また、骨盤の状態も安定せず歩くだけで股関節が痛む状態でした。

トレイルに戻るため、走りながら腹筋や足の筋肉をつけて身体を整えていくことにしました。そこで、KPCを立ち上げて公園ランも始め、ロードで身体を慣らしてからお山へと向かいました。


授乳と北山トレイルラン

乳児は、3時間置きの授乳が必要なので、外に出ても、すぐに戻って来なければなりません。早朝5時半に最初の授乳を済ませ、山へ向かいます。山に入れる時間は2時間程度でした。

授乳のタイミングの逃すと、子守をしてくれているお父さんはなすすべがありません。また、息子は母乳で育てていたので、私がいなくなると生きていきません。そういうこともあって、お山へ入ることは命がけ、無事に帰ることを強く意識していました。ちゃんと帰って授乳をする、言葉にしてしまえば簡単な様に感じますが、当時はシビアな状況に身をおいていたと思います。


もしもの備えを

女性が一人でお山に入る、しかも家ではお腹をすかした息子がお父さんが待っているという状況でした。ちゃんと家に帰るために、慎重な行動を心がけていました。もしもの時に備える装備として、けがの処置をするものや停滞したときに冷えないようにエマージェンシート、水分は自分が飲む倍の量を持っていました。また、前日に旦那さんと一緒に翌日のコースを相談して決めていました。


北山をフィールドにトレイルラン

早朝の北山は、走っているのは鹿と自分だけです。薄暗い道を、物音がする度にヒヤッとしながらも、怖いけど行きたい、行きたいけど怖いの葛藤の中で一人走っていました。人のスリップ跡を見つけるとホッとしたりしていました。

北山の魅力はなっといっても街からのアクセスが近いところです。また、エスケープルートも多く、縦走途中でも時間を短縮して各峠から下山できます。縦走路は、旅伏山から弥山へ続く尾根ルートで、アップダウンが多く植生や地形もめまぐるしく変わり変化に富んでいます。北山には縦走路以外にも豊富なルートがあります。このたくさんあるルートは、天空人さんの地図を参考にして調べています。天空人さんの地図を眺めながら、まだまだ行ったことのないルートがたくさんあるなとワクワクしています。


単独で走ること

北山ではトレイルランセッションがよく行われています。リーダーがルートを設定してメンバーを案内する形式が多いです。セッションはみんなで協力して行動するのでわいわいと楽しくできます。それに対して、私はいつも単独で行動しています。単独行動では、何かあってもすべて自分で対応しないといけなかったり、もしものときにはリスクが大きくなってしまいます。でも、それをちゃんと一人でこなすことがソロトレイルランの醍醐味だと思います。週に1回の早朝トレイルランでは、コースや行動時間を自分で設定して、実際に計画通り走って帰ってくるとに達成感を感じていました。


最後に

私がこうやって北山を走ることができるのは、何と言っても旦那さんの理解があってのことだと感じています。また、子供が生まれた後でも、トレイルランやハイキングが楽しめるということを、自分と同じように子育てをしていてる方に伝えられたらと思います。

IZUMO KITAYAMA MEETING

いずも北山ミーティング 2016/4/10(日) 開催終了!