[活動報告] #5 「いずも北山の日をつくる」

発表者:主催者にしやま  

本ミーティングの主催者にしやまは、紙芝居 「いずも北山の日をつくる」を披露しました。主催者にしやまは、いろいろな形で北山へ足を運んでいます。幼い頃に父に連れらて歩いた道なき道を歩く原体験から、ハイカーとして、トレイルランナーとして、登山道整備に参加したり、古道を探し道を繋げてみたりしています。活動範囲は出雲だけにとどまらず、多くの時間をフィールドで過ごし、その日々を通してたくさんのことを自然から学んでいます。そんな自分の体験を、ぜひいろいろな人にも感じてもらいたい!と目論んでいるようです。じつは暮らしのすぐそばにある北山が、絶好のフィールドとなりつつあることと合わせて、みなさんに新しい提案をお話しました。


山と人との関わりについて

昔の北山は、麓に住んでいる人たちの生活の一部だったそうです。山へ薪木を取りに行ったり、山菜をとったり、わき水を貯めて生活に利用したり。北山を超えて海から里への物資を運んだりと、人の往来がありました。また、山自体が信仰の対象として人々の心のよりどころにもなっていました。このように、北山だけでなく日本の里山と言えば、生活の中に密接にからんでいるものでした。

昔の北山のおもかげは、北山を歩けば簡単に見つけられます。北山の中に網の目のように張り巡らされた道の痕跡や、磐座やお地蔵さんの存在が、そこに人々の暮らしや生活があったことを感じさせます。しかし、時代が変わり、山から得ていた燃料は化石燃料にとって替わり、必要なものはお店に行って購入すればすぐ手に入るようになりました。人は次第に山に入らなくなってしまいました。北山も例外では無く、はほったらかしの山になりました。

6, 7年前からトレイルランで北山に通うようになりました。毎週末のように通っていると、倒木の多さに気づきます。先週末無かった倒木が今日はあったりと、すこしの雨風ですぐに大きな樹木が倒れてしまう状況でした。特に、弥山へ登るメインの登山道である「修理免道」は、倒木や崖崩れが放置され、歩きにくく危険な道になっていました。


北山へ集まる人たち

そんな中、ここ最近いろんな形で北山へ入る人が増えています。先ほどお話をしていただいだ、キコリーズやトレイルランナーだったり、前回の北山ミーティングのゲストには、北山中の古道を探したり、滝を探して古道を歩く滝マニアの方(島根の滝と周辺の植物)など。いろいろな方が、それぞれの目的を持って北山に入っています。もちろん、ずっと以前から通われているハイカーや、地元の山の会の方々、猟友会、森林組合員、僕自身が知らないだけで、以前から北山とかかわりを持っている方は無数におられると思います。

今お山での活動を通して感じるのは、"いずも北山の新しい流れ"です。おそらく今までは、自分たちの好きなこと、やりたいことをして、個人で北山で楽しんだり利用していたと思います。

それが今、北山の整備活動を通して個人が繋がりはじめています。トレイルランナーがセッションをする前後で北山整備をしたり、自分たちで手におえない倒木の処理をキコリーズに依頼したり。山歩きに慣れていない人のために、北山のメジャールート「修理免道」を自主的に整備する方々もおられます。

つい最近、修理免登山道へ入ってみると、道が整備され、比較的安全に歩けるようになっていました。複数の有志の方々が協力して、道を示す標識やテープを取り付け、道を直し、倒木を除去しています。ー [ 本ミーティング開催後に調査した「修理免道」のレポート:出雲 北山 弥山 登山道状況 [2016.05.22時点] ]


今、いずも北山で起きている動きをぜひ多くの方に知ってもらいたいです。子どもから、大人から、観光客の方や、みんなに北山に登ってもらいたい!です。

でも、何かきっかけがないと難しいと思います。僕自身も、小学校の時に弥山へ登ってから、大人になるまで北山に登ったことがありませんでした。
僕が北山に登るようになったきっかけは、兄から元旦のご来光登山に誘われたことです。ちょうどその年はご来光がばっちりと見えたことも重なり、弥山から見る出雲の景色もすごく良かったです。この久しぶりの北山をきっかけにして山登りを始めました。


いずも北山の日

今まで登山をした事がなかった人、今ひとつ山へ足が向かない人へも北山へ登っていただけるきっかけを作りたいです。そこで、北山への入り口を広くする、きっかけとなるようなイベント「いずも北山の日」をやってみようと思います!

その日は、いろんな人が集まって北山でたくさんの小さなイベントが開催するということを考えています。小さなイベントとは、たとえば

  • 親子ハイクでみんなで頂上を目指す
  • こどもたちだけで登ってみる
  • トレイルランのローカルレースを開催して、実際に走っていることろを応援する
  • 実際に整備をしてもらい、手伝ったり、見学したりする
  • 頂上で景色を見ながら、その日に捕った鹿をその場でシカカレーにしてみんなんで食べる

北山に集まって、実際にそれぞれの方の活動を見たり体験できたらいいなと思っています。とくに、子どもたちが参加できる形にしたいです。大人が楽しそうに取り組んでいたり、かっこいい姿を目にすると、子どもたちもやってみたい!と感じると思います。いろんな人にとっての、きっかけになる日をつくりたいです。


すごくカタイ話になりますが、最初は遊びでもそれがだんだんと、季節とともに刻々と変化する自然のこと、頂上から眺める出雲の景色を通して郷土のこと、山の中にちりばめられた先人の遺物から歴史や古の人々のことが見えてきます。

先ほど、”子どもに” と言いましたが、子どももだけじゃなく、大人にとっても、出雲に暮らす人たちや、誰でもいいですね、みんなに!感じてほしいです。

僕自身が、自然や郷土について興味を持つようになったのは、北山に登るようになってからです。きっと、誰にでも感じることができると思います。

では、「いずも北山の日」開催にむけて、みなさんぜひお力を貸してください!


QA

Q. 北山の日はいつ開催されるのでしょうか

具体的にはまだ決めていません。そういうのがあったらな良いな〜と考えているところです。


Q. 実際に北山にたくさん人が入ると、その影響で登山道や山自体の環境が損なわれると思います。それについてどう思いますか

継続して人が入るようになれば、人的や自然に荒れていった箇所の保全活動が行えます。環境に配慮して人が山に入らなくなるでは、ますます荒れてしまい里山としての役割が果たせなくなってしまうと思います。


さいごに

お山にはいればいろんなことを感じると思います。でも、いきなり最初から全部を分かったり感じたりするのは難しいです。そこで、ぜひみなさんにおすすめしたいのが、いずも北山・弥山から見下ろす景色です!まったいらな出雲の街と繋がる海、それを囲むようにして連なる山並み。この景色は、いずもに暮らす方はもちろん登った人みんなの心に残ると思います。せわしなく過ぎていく日々の暮らしの中を急ぎ足で過ごしていると、遅々として進まない頂上への歩みは新鮮に感じると思います。北山はすぐそこにあります、ぜひ一歩踏み入れてみてほしいです!

さて、いずも北山の日ですが、今日現在(9/2)まだ構想段階です。本ミーティングでも少し話題に出ましたが、私有地の問題もあります。ほかにも解決することがたくさんあると思います。これから、考えていきます。ご感想やご意見お待ちしています!< izumokitayama△gmail.com > まで、お気軽によろしくお願いします。



IZUMO KITAYAMA MEETING

いずも北山ミーティング 2016/4/10(日) 開催終了!